123人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ねぇ、鈴音。あなた本当にこの人が誰か、何でここにいるかわからないの?」
驚きの表情を露わに、確かめるように聞くお母さんに、少し戸惑いながらもこくりと頷く
すると、 お母さんは口に手を当て目を伏せて黙り込んでしまった
シンと静まり返る病室
この静けさがあたしの心を不安にしていく
え?なんなの?
この反応はなんなんだろう
理由のない焦りが少しずつあたしを支配しようとし始めたとき、男が口を開いた
「あのさ、悪いけどお母さんとちょっと話してきていい?」
「あっ、はい。どうぞ」
突然の申し出に驚きつつも、反射的に返事を返すと、男はお母さんの肩にそっと手を置き、労るように外へ出て行った
.
最初のコメントを投稿しよう!