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街をよく見ると中心には周りと全く違う雰囲気を放つ建物が空に向かって伸びていた
高くそびえ立つ白い塔
そこにはいっさい窓が無く、もしパラボラアンテナや展望台などがあったら色々と想像がついたのだが、あいにくそういった類いの物は一切なく、何のための建造物なのかまったくわからなかった。ただただ天を貫くように空に伸びているだけだ
そんな事は気にせず、その光景に暫く言葉を失い見とれていたが、視線を近くに戻し、自分の立ち位置を確認する
近くにいくつかのベンチが設置されていて、後ろには狭い芝生が敷かれ、前は通り道をまたいで小さな花壇が設置されていた
まるで長い横断歩道の途中にある空間のようで、そこを少し華やかにし四角く形取ったような場所だ
どうやら、このちょっとした休憩場所は辺りを見る限り十字路の真ん中にあるらしい
街を眺めていた道の先はしっかりと歩道がついた坂道で、やはり先ほどと同じように小さな窓が備え付けられただけの二階建て煉瓦作りが向かい合いながら下まで続いていた
その後ろは先ほどの車しか通れない細道
右に位置するのは少し開けた大通りで、店のような看板が入口の上に設置されている
しかし、どこもシャッターを下ろし、冷たく重い空気が漂い、そこに車が二、三台通るくらいである
そして最後に左を見ると今までの風景が途中で区切られていて、その奥に公園のような敷地が広がっていた
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