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そこで今までパニックに陥らなかった俺の思考が一気に色を変え、警鐘を打ち鳴らす
(え、うわ!?な、な何だ!?)
公園の中に広がっていた筈の風景が一瞬にして白一色に変わり、目の前に新たな景色が映し出される
飛び込んできた視覚情報は一言で
『戦場』
を表していた
辺り一面に広がる瓦礫の山、先ほどまでの綺麗で風情ある街並みは何処にも見当たらない
耳を貫くように響き渡る銃器機の音、その銃器を操っている大型兵器
俺はあまりの衝撃、混乱に身動きが取れなくなる
(――ッ!!夢、…夢だよな!?)
砂ぼこりを舞い上げる風に乗り、薬莢の火薬の匂いと戦場ならではの匂いが嗅覚を刺激し、一層恐怖に煽りをかける
俺は必死に目覚める前もしくは寝る前の自分の日常を思い出そうとする――――
特に特別な事をした覚えがまったくない
ただいつものように学校から帰って来て、身に付いた生活習慣のリズムに乗っ取り、いつも通りに眠りについただけだった
強いて変化というか、変わりがあったのはいつもより寝付きがよかったことだけだ
目覚める直前に何かあった気もしなくはないが、時間が経った今となっては思い出すことは出来ない
(夢の中でパニクるなんて…、どうかしてるぜ…)
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