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力を無くした膝が崩れ、そのまま地面にしゃがみ込む
目の前の恐怖感か、それとも自分の頭の無駄なクオリティに対する絶望感からか、涙が自然とこぼれ落ちる
(何なんだよ、これ…。夢に、しちゃリア、ルすぎる。だか、らって…リアル、な訳…ねぇ)
愕然としゃがみ込む俺の背中に突然声がかけられる
「おい、お前。そこで何してんだよ!」
怒鳴り声に驚き、すぐに振り向く
そこに高校生くらいの少年が立っていた
「おい!聞いてんのかよ!!」
金髪青目の少年はマシンガンのような物を左手で担いだまま、空いている手で強引に俺の腕を取り立ち上がらせる
「何、泣いてんだ!?質問に答える気がないなら邪魔だ。さっさとここから出ろ!!お前のせいでスコア落ちたらどおすんだよ!?」
俺は声を出すことができず、ひたすら混乱していた
せっかく人に会えたのに質問の意味が分からず、どう答えて良いのかわからなかった
ましてや質問をしたいのはこっちの方なのだ
「何してるジック、出すぎだ。下がって態勢を整えろ!」
不意に瓦礫と化した建物の壁から声がとんできた
見るとそこから赤色の髪に両面眼帯の男が顔を出していた
彼もジックと呼ばれた目の前の少年と同じで歳が若いように見える
「蜂の巣に成りたいんだったら俺は止めないぞ」
「わぁってるよ!!でもコイツが!」
「いいから急げ。PMCの動きがどうも勘にさわる。何か仕掛けて来る前に奴等を叩くぞ」
そう言うと壁に身を隠し何やら作業を始める
「くそっ、怒鳴られたじゃねぇかよ!!」
そういう自分は初めから怒鳴りっぱなしであるが、そこはツッコまないほうがいいだろう
「もういい、お前も来い!ここにいるからには戦えんだろうな?」
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