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俺は咄嗟に首を横に振る
「…はぁ?本気で言ってんのか!?」
ジックは俺を先導しつつ近くの瓦礫の壁に隠れる
「武器は?武器ねぇのか?それくらいあんだろ?」
俺はまたしても首を横に振る
ジックはイライラを通り越し、心底呆れた風に肩を落とす
「なんだなんだなんだ、何なんだ?こいつ、武器はねぇわ、戦えねぇわで……。じゃ、何でここいんだよ!?」
俺は答えようと口を半分まで開けて諦めた
何て説明していいかまったくわからなかったからだ
その様子をみたジックはもう独り言のように言った
「ぁ~ぁ、もうヤメだ、やめ。こんな訳の解らん奴に付き合ってる暇じゃねぇよな。あぁ、そうだ。集中しろ、ジック!ビズの言う通り動けば俺達は勝てる」
そんな事をブツブツ言っている様子を観ていると何となく自分に似ている気がして親近感がわく俺だったが、集中しているジック少年を邪魔する訳にはいかない(怒らせたくない)のでそっとしておく
やはり今自分がどんな情況に置かれているのか知りたいので、そっと物陰から顔を出す
そこで後頭部に強い衝撃がはしった
「バカ野郎ッ!!なにしてんだよ、むやみに顔出すんじゃねぇよ。見つかったらどおすんだ!たくっ、お前これ持っとけ」
殴られた頭を擦りながら差し出された物を受け取る
それはハンドガンだった
「初心者だろうがなんだろうが、自分の身くらい自分で守れ。それがここのルールだ。エイピルは使いやすいからお前でも使えんだろ」
エイピルと呼ばれたハンドガンをとりあえず持つことにした
(きっと返したら殺される……だろうし)
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