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多分歳は私と同じくらい。
夕日を背にしているのに、顔はハッキリと分かった。
端正な顔立ちだ。
私はとっさに思った。
この人、この踏切で死んじゃった人なんじゃないかって……。
そう思ったら、ちょっと背筋が寒くなった。
次の瞬間、パッと目の前を何かが通り過ぎた。
『君もしかして、俺の事見えてるよね?』
目の前には、その端正な顔立ちがあった。
私は目をつむってブンブンと首を横に振った。
『あっ、やっぱ正解?見えてるんだ』
その端正な顔立ちのフワフワ浮かぶ幽霊らしき男の子は、満面の笑みでそう言った。
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