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「なぁ、何食べる?」
屋内にはレストランやらファストフード店やらと、実に様々な店がある。
あたしは海斗の裾を掴んだ。
「あ………えと……」
「ん?どうした?」
掴んだまま俯くあたしに、海斗は首を傾げる。
「あ……あのね……」
うー……
言い出せない。
実はお弁当作って来ただなんて!!
だってさ!あたし、普段料理しないもん!
そのことは海斗も知っている。
今日は朝早くから、お母さんに手伝ってもらって作ったのだ。
そんな、ある意味初といえるお弁当作り。
一応味見はしたが、美味しいかどうか保証もない。
言おうかどうか迷い、あたしは俯いたまま、うぅー…と唸った。
「………襲っても良いですか」
「へ?」
頭上からの声に反応し、海斗を見上げる。
「…………あのさ。
無自覚かもしんねぇけど、今の美月はマジで可愛いから。
裾掴んで見上げるのは止めて。
襲うぞ?」
「あっ………ご、ごめん…」
あたしは海斗の裾をぱっと離した。
海斗の言うマジで可愛いっていうのは理解できないけど、このままだと本当に襲われそうな雰囲気だったので慌てて離れた。
「…………いや。
まぁ美月はいつでも襲いたいけどなー♪」
「お断りします」
「即答かよ!!
…………で?お昼どーすんの?」
あー!!
そうだった!!
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