【もしも】海斗×美月

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天気良好、気分爽快。 見渡す限りの青い空には、雲ひとつ見当たらない。 そして俺の隣には……… 「ねえねえ!!あたしソフトクリーム食べたいなー♪」 誰よりも可愛い、俺の彼女。 「そうだねー」 「お前太るぞ」 …………と、その他二名。 「何よ、ソフトクリームひとつじゃ太らないし!」 「おーおー、ソフトクリームひとつで良いのか?どうせ他にも色々食べるだろ?」 「ぐっ………」 龍の痛い一言に言葉を詰まらせる美月。 「あっ、見てみて!ルタオあるよ!」 地図を広げて錦上が言った。 「え!?どこどこ!?チーズケーキ食べたいんだよねー …………………あ」 地図に飛び付いて目を輝かせていた美月は、汗を流して龍を見た。 「………ほらな?」 ニヤリと笑う龍。美月は決まり悪そうに「だって食べたいんだもん…」と消え入るような声。 「ほら、ソフトクリーム!行くんだろ?」 俺は頭をかきながら、さりげなく美月の手を握る。 美月はさも嬉しそうに「うん!」と言った。 …………ったく、可愛いな。 ここは北海道。修学旅行でやって来て、今は班行動の時間である。 班のメンバーはいつもの4人。 俺としては、美月と2人きりで良かったんだけど。 北海道といえど、やはり6月は暑い。 俺は流れてきた汗を拭った。
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