第二章 【偽物】

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俺達は本部で今日の報告をし、他の刑事が収穫した情報を聞く。 薫を連れ去った車は盗難車だった。 「じゃあ、解散するが他に何かあるヤツはいるか?」 俺は手を上げた。 「滝川、何だ?」 俺が発言するたびにいちいち視線が集中する。 「明日もおそらく斉藤容疑者から連絡が入ります。 その時にまたGPSが東京湾を指したら、ヘリを飛ばしてもらえますか?」 「わかった。 近くの船をつけられそうな場所にも警官を配置しよう」 「それと…事件関係者で警護を受けている人間のリストがあれば見せて下さい。 斉藤、山下の他に共犯が居るとして、それは事件関係者なのかが知りたいです」 「リストはここにある。 前に来い」 「はい」 俺は警視正から資料を受け取りリストを見た。 上から順に目を通して行く。 知ってる名前ばかりだ。 「ここに書かれている関係者は今も無事を確認されてるんですよね?」 「ああ。 24時間警護してる」 薫はその警護の隙間を狙われて拉致された…。 「ちょっと待って下さい…。 名前が無い人が…」 何度見直しても名前は見つからない。 「誰だ?」 「大塚元教育委員長…」 俺がビルで助けた元校長。
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