第一章 【復活】

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ドッ……クン… ドッ…クン… ドックン… ピッ… ピッ… ピッ… ピッ… 何だこの音…。 “僕は君が大嫌いだ” ドクンッ!! 誰だ!? 俺はゆっくりと目を開けた。 眩しい…。 「尚輝(なおき)!! 尚輝!!」 母さん…。 「良かったぁ…。 本当に良かった…」 この声……もしかして薫!? 「良かったな!! 水木!!」 やっぱり!! 水木 薫(みずき かおる)俺の元カノ。 その薫が俺のために泣いている…。 そして薫を呼んだのは…。 やっと部屋の明るさに目が慣れてきた俺は声の主を見た。 「源(げん)…」 原田 源次郎(はらだ げんじろう)。 俺の親友…だった…。 中学の頃の同級生。 「ここは…?」 「病院だ。 手術は成功したぞ。 お前は本当に悪運だけは強いな」 「伊達(だて)さん…俺…どうして? いってぇ…」 頭が割れそうにガンガンと痛む。 「滝川…お前、覚えてないのか?」 伊達さんが顔を近付けた。 伊達さんは俺が刑事になって配属された署の先輩で、俺とペアを組んでいる。 「…覚えてないって…」 何をだ? 「俺…犯人にやられたんですか?」 「おいっ!! 尚輝覚えてないのか!?」 源が詰め寄る。
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