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母さんに父さん…。
伊達さんに薫、源。
俺はゆっくり酸素マスクをずらした。
「この光景…よく見るな…」
そう言うと皆が笑った。
結局、伊達さんは肋骨を折っていた。
「何で同じ病室なんですか」
「それは俺が聞きたいよ。
誰が好きでイチャつくカップルの横で1人寂しく居たいんだよ」
コンコン!!
「はい」
伊達さんは不機嫌に返事をする。
「こんにちは」
「あっ!!
青井さん」
「今日もお見舞いに来ちゃいました」
伊達さんが青井さんを好きな気はしていたけれど、まさか両想いとは…。
鈍感な伊達さんはまだ気付いていないけれど。
ちなみに病室には盗聴器が仕掛けられている。
警視正の携帯が見つからないことも本庁では問題になっていた。
何度も事情聴取をされたけど、俺は知らないと言い続けた。
携帯は修吾の墓に隠してある。
きっと、修吾が守ってくれる…本当の黒幕への手がかりを。
必ずそいつに手錠をかけてやる。
伊達さんは1週間ほどで退院し、怪我だけで無く精神的にカウンセリングが必要とされた俺は3ヶ月近く入院をした。
斉藤の死に顔が頭から離れない。
必ず敵は討ってやる。
俺なりの方法で…必ず。
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