第二章 【偽物】

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「尚輝、ちゃんと話せよ。 また何かが起きるのか? 危険なことに首突っ込んでんだろ!?」 「捜査情報は話せない。 でも…守るから…。 俺が食い止めるから」 「何カッコつけてんだよ!! 刑事になってもダチはダチだろ!? これは俺達が原因の事件だろ!? ちゃんと話せよ!! 1人で抱えんなよ!!」 「源…」 やべぇ…泣きそうだ。 「俺も祐希奈と腹の中の子供を巻き込みたくない。 お前と同じなんだよ。 守りたいものがあるから決着をつけなきゃいけないんだろ!?」 「源…片足じゃあ済まないかもしれないぞ? 子供の顔を見れなくなるかもしれないんだぞ!? 俺達警察に任せろ…」 ごめんな…源。 「じゃあ…捜査に戻るから…」 「おいっ!! 尚輝!!」 プーッ、プーッ、プーッ。 俺は電話を切り、電源を落とした。 ダチだからこそ、これから父親になろうって親友を巻き込みたくないんだろ? わかってくれよ…源。 俺は目撃者だと名乗り出た女性の会社に向かった。 そして仕事が終わるまで待つ。 「お待たせしました。 すみません」 「いえ、こちらこそ職場にまですみません。 昨夜のことを聞かせてもらえますか?」 「はい」 彼女に薫の写真を見せると間違いないと証言した。
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