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こんなに怒った伊達さんの声を初めて聞いた…。
「すみません。
今度から気をつけます」
「はぁ…」
安心したのか伊達さんは大きなため息をついた。
「今どこだ?
迎えに行く。
本部に報告だ」
「はい」
俺は30分後、伊達さんと合流した。
「本庁のヤツとぶつかったって?」
「ぶつかられたんですよ」
「お前が思ってる以上にお前を意識してる本庁の人間は多い。
相手にするだけ損だぞ?」
「わかってますけど…」
「大人になれ」
「はい…。
そうだ。
ビデオ、どうでしたか?」
「やっぱり斉藤で間違いない。
しかも、これ見ろ」
俺は1枚の紙を受け取った。
「これ…斉藤と安藤の息子ですか!?」
「ああ。
携帯を調べてセンターに問い合わせをしたら、まだ残っていた。
安藤 茜が消えていた20分の間に、この写メを受信している。
こんな写真を見せられたら、誰だって誘拐されたと思うだろう。
メールは削除するように指示されていた。
安藤の自殺は仕組まれ、追い込まれたもので決まりだな」
やっぱり…。
「防犯カメラの斉藤はどんな様子でしたか?」
「音声が入ってないから何とも言えないが、店員の言う通りだ。父親が来るまで子供をあやして、まるで自分の子供のように可愛がっている。
異常だよ…アイツは」
異常…か。
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