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「我が国、大日本帝国は、これから朝鮮で戦争を行うかもしれないのです。その際、国民がどれくらいの基礎戦闘力があるか確かめる必要があります。陸軍はある実験プログラムが必要だと天皇陛下に申し上げました。」
「そのプログラムとあたしにどんな関係が…?」
「翔元さんにはこのプログラムに参加してもらいます」
「そのプログラムって…?」
「決して難しいものではありません。ただ我々は国民の皆さんの基礎戦闘力を図りたいのです」
「それって…?」
「コンピューターがランダムに選んだ地区で、ランダムに選んだ人間に被験者となってもらい…………………殺し合いをしていただきます」
「……………!?」
有子は小山田が何を言っているのか理解できなかった。いや、理解したくなかったのだ。
「………そんな」
「今からルールを説明致します。」
小山田だは、呆然となっている有子を後目に淡々と説明を始めようとした
「…ちょっと、待って下さい。」
「はい?」
「何で私がそんなのに参加しなきゃいけないんですか!」
「コンピューターがランダムにあなたを被験者に選んだのです。」
「だからってこんなことしなきゃいけないなんておかしいじゃない!」
有子は小山田に言った。すると、小山田の他に、もう1人の男が銃を突きつけた。
「貴様!それでも大日本帝国の国民か!ふざけた真似をすると…!」
「飯田!やめろ!」
飯田と言われた坊主頭の男は小山田に怒鳴られ銃を向けるのを止めた。
有子には、飯田の持っていた銃の先に装着された銃剣が妙にギラギラと光って見えた。
「私の部下が申し訳ないことをしました。お気を悪くされたのなら謝ります。」
「……………」
有子は今の飯田の行動を見、自分が置かれている状況をやっと理解できた。
殺人ゲームという檻に本当に入れられることを。
「それでは説明を始めます」
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