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翔元有子(かけもとゆうこ)は、いつものようにオフィスで仕事をしていた。パソコンの画面に打ちたくもない文字を打ち続けていた。
(退屈だわ…。毎日が何もないなんて…。)
「はぁ…。」
そう思いながら有子は溜め息をついた。
今までの人生が何だったのか いつも有子は自問自答している。 何の変哲もない人生を過ごしてきたよなぁと、しみじみ噛みしめている。
確かに有子が今まで過ごしてきた人生は「普通」という言葉だけで表現できる。
小学校の時は、何事もなく、普通に生活していた。学校に行きたくないと思ったことは一度もない。
行きたいと思ったこともないが。
中学の時も、何不自由なく過ごしてきた。
テニス部に入部し、テニス仲間の友達もできた。成績は良くもなければ悪くもない、いたって普通だった。
高校も苦労することなく入学することができた。その高校は有子の住んでいる市内の高校だった。特にレベルの高い高校ではなかったが問題児を多く抱える学校でもなかった。いたって普通の高校であった。
高校でもテニス部に入部し、いつものように過ごしてきた。そして将来の夢を見ていたわけでもなく、自分の成績にあった大学を志望した。
大学に入学し、またいつものように過ごしていた。バイトしながら大学に通う日々だった。
そして、今 現在に至る。
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