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「せっかく肩を揉んであげてるのに…嫌ならいいんだよ…。君をクビにするまでなんだから…。まっ徴兵されたきゃそれでいいがね」
「…………」
(………ぶっ殺してやりたい……)
「私は先に帰るけど……仕事頑張るんだぞ……。゛有子゛……。」
そう言って赳夫はオフィスをあとにした。
有子はこんな日々が毎日続くのかと思うと自分の人生に絶望した。
赳夫は有子にセクハラを繰り返していた。
その次の日は、有子がお茶をくむためにポットのピストンの上に手を乗せたとき、どこからか現れては、有子の手の上に自身の手を乗せた。
またその次の日はエレベーターで一緒になりゴミがついてると言って、スカートの中に手を忍ばせようとした。
有子は同僚に相談していたが皆、信じてはくれなかった。
赳夫は有子が他の社員と一緒にいるときは真面目な人間である上司を演じていた。
そのため他の社員は皆、赳夫を真面目な人間だと思いこんでいたのだ。
そして赳夫は有子とふたりきりになったときを狙ってセクハラを繰り返した。
同僚たちが信じてはくれず、その上 自分がモテることをアピールしたいのではないか、と言い始める者も出てきた。
有子はうんざりした。
(何よ…。みんなまで…。)
有子は赳夫がもっと憎くなった。
本当にぶっ殺してやりたくなった。
だが有子はまだ気づいていなかった。
その願いが叶えられる日が後々来ようとは…。
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