1185人が本棚に入れています
本棚に追加
/360ページ
俺と梓紗、エリアは複雑な気持ちで食卓を囲んでいた。
俺は気まずそうにちりめんじゃこをまぶしたご飯を頬張る。
エリアは、遂に目を閉じて食事を始める。現実から目を逸らしてるよ………。
で、梓紗はといえば―――。
「おねえちゃん!このごはん、おいしいよ!」
まさかの、心身ともに幼児化していて、さっきからコーンクリームコロッケとご飯をモグモグ食べている。
「……だけど、ほんとどうしてこうなったんだろうかな」
「さぁ?女の子になってアブナイことしたかったんじゃないの?」
「バカ言うな!平和至上主義者が自ら望んで暴れるわけ無いでしょうに!」
「それもそうねぇ………」
エリアはお茶をすすり、上を向く。俺は食べ終わった食器を片付けるべく、立ち上がる。
ピンポーン
その時、インターホンが鳴る。
「…エリア、出てくれ」
「はいはい……」
エリアは溜め息混じりに立ち上がり、玄関へ向かう。
梓紗は相変わらず美味しそうにしている。何だか動きが可愛らしくて和めてきた。
「…一体なんだろうな。いきなりこんな姿になっちまって、しかも元に戻るためのヒントは一切無し。…それはまだ進展がないから仕方無いのか?」
俺は、外を見てそう呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!