プロローグ

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しかもほとんど自足時給らしく、カレルの私生活の情報も全くなかったのです。それどころか、年に二~三回独断で居を移していて、今何処に住んでいるのかもわからないでいたのです。 そのくせ、私がなんとか局員になった途端、彼から連絡が入って、デバイスの話になったのです。 「血を分けたきょうだいのデバイスをつくるのに、理由なんてあるか。」 と、言っていました。正直、カレルという人は私にもよく分かりません。人や家族の為に尽くすくせに、自分に触れられるのを極端に嫌がるのです。行為事態はありがたい反面、そのときは彼を今一つ信用できないでいました。 チェックアウト後、カレルはフィッシュボーン級(地球の方はセスナといったほうがわかりやすいかもしれません)の時空航行機に乗り、夜の8時にはミッドチルダの高次元空港に到着している筈でした。 その日は、観光地でもないカラドにフィッシュボーンいっぱいに観光客が押し寄せていました。空きが一~二席のみの状態だったそうです。しかもその観光客たちは、皆ガラの悪そうな身なりをしていたようです。
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