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そんなこんなで寝そべりながらテレビを見ていると、
「おーい。音弥ー!!ちょっと来てくれー!!」
噂の超人じいちゃんからの呼び声が聞こえた。
「今、行くよー」
俺は声がした方へ向かった。
じいちゃんは倉庫の前で手招きしている。
「これを開けてくれんかの?」
じいちゃんはそう言って、倉庫を指差す。
「鍵は?開けたの?」
「ふむ。開けたんじゃが扉が開かなくてのう」
じいちゃんが困り顔になる。
よし、ここは小遣いの為……じゃなくて愛するじいちゃんのために一肌脱ぐか!
俺は気合いを入れて、扉に手を据え
「ぐおおおおおお」
力を込めた。
だが、ビクともしない。
あれ?俺ってこんなに力弱かったっけ?
少し自分のステータスが気になったほど、扉は頑丈だった。
「因みに、開けてどうすんの?」
苦労して開けるんだから理由くらい聞いておかなくては!
「ふむ。少し倉庫の中を整理しようと思ってのう」
うん
たいしたことないじゃーん!!
……なんて言う勇気、俺にはない。
諦めてまた扉に手を掛けた。
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