16人が本棚に入れています
本棚に追加
気が付けば私は
大きな交差点の前
周りを見渡せば
出発の時を待つ人達
隣には懐かしい君がいて
優しい瞳はもう
前を見つめていた
視界が青に変わる
人々は歩みを進め
君も離れていく
空が泣き出したから
君が濡れないようにと
傘を持って追いかけるけど
君には君の傘があった
「ごめんね」って言いたかった
「ありがとう」を伝えたかった
進もうとしても
足は地面に張り付いて
叫ぼうとしても
声にならない
君へと続く道は人混みに
飲み込まれてしまった
歩き出せないのは
私だけなのでしょうか
泣き空の下で
道の真ん中にしゃがみ込む
泣いていたのは
私のほうだった
朝日に包まれて目が覚める
後悔を覚えて傷ついた分だけ
人は強く優しくなれる
夢の中の私はちゃんと
また立ち上がって
歩き出せましたか?
最初のコメントを投稿しよう!