1人が本棚に入れています
本棚に追加
私が今ここに居る、在る、この世界と並び進む世界があると、仮定しようか。
そう所謂ところの【同時間軸平行世界】、若しくは【パラレルワールド】だ。
ほら三千世界とも言うだろう、概念はあるのではないかな。
だがしかし。
「私は同時間軸平行世界を否定しよう。勿論パラレルワールドは在る、と仮定した上での否定ではあるが」
「それはあなた、矛盾している」
「そうでもないさ」
まあ考えてみてほしい。
同時間軸平行世界、若しくはパラレルワールドとは即ち“もしも”の世界だろう。
ではその“もしも”はどういった場合に、発生するのだろうか。
“あの時ああしていれば”か? “してはいけない、けれどしてしまったら”か?
違うね。
「答えは“常に”」
「常に?」
今現在この瞬間もパラレルワールドは、“もしも”の世界は発生し続けている。
何故なら指の動きひとつであったとしても、その後に繋がる事柄が変わるからだ。
「コンマ一秒なんて可愛らしい単位ではなく」
ヒトが数える最少単位などでは追い付かない程、刹那的なタイミングで“もしも”は発生し続けているのだよ。
今こうして“私である私”が在る世界を軸として考えた場合に於いて、発生した“もしも”は平行できる程に少ないモノではない、と云う事になる。
「だから、私がパラレルワールドが在ると仮定した上で、同時間軸平行世界を否定している事に、矛盾は無い」
「しかしそれでは時間の進み方も違うのではないか?」
「時間の進みは同じで良いのさ」
「それはあなた、今度はさっきの答えに矛盾する」
「そうだろうか?」
「そうだとも」
ではもう少し考えてみてくれないだろうか。
数多に発生した“もしも”は、平行して進める程少ないモノではない。
何故なら瞬間的に別れた先でもまた“もしも”が発生するからだ。
例えるならばそう毛細血管が良いだろうか。
細かく細かく別れて進み、別れた瞬間また別れる。
「いやマスクメロンの網目、かな?」
「それでは全く解らない」
最初のコメントを投稿しよう!