だってあなた、

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 私が今ここに居る、在る、この世界と並び進む世界があると、仮定しようか。  そう所謂ところの【同時間軸平行世界】、若しくは【パラレルワールド】だ。  ほら三千世界とも言うだろう、概念はあるのではないかな。  だがしかし。 「私は同時間軸平行世界を否定しよう。勿論パラレルワールドは在る、と仮定した上での否定ではあるが」 「それはあなた、矛盾している」 「そうでもないさ」  まあ考えてみてほしい。  同時間軸平行世界、若しくはパラレルワールドとは即ち“もしも”の世界だろう。  ではその“もしも”はどういった場合に、発生するのだろうか。  “あの時ああしていれば”か? “してはいけない、けれどしてしまったら”か?  違うね。 「答えは“常に”」 「常に?」  今現在この瞬間もパラレルワールドは、“もしも”の世界は発生し続けている。  何故なら指の動きひとつであったとしても、その後に繋がる事柄が変わるからだ。 「コンマ一秒なんて可愛らしい単位ではなく」  ヒトが数える最少単位などでは追い付かない程、刹那的なタイミングで“もしも”は発生し続けているのだよ。  今こうして“私である私”が在る世界を軸として考えた場合に於いて、発生した“もしも”は平行できる程に少ないモノではない、と云う事になる。 「だから、私がパラレルワールドが在ると仮定した上で、同時間軸平行世界を否定している事に、矛盾は無い」 「しかしそれでは時間の進み方も違うのではないか?」 「時間の進みは同じで良いのさ」 「それはあなた、今度はさっきの答えに矛盾する」 「そうだろうか?」 「そうだとも」  ではもう少し考えてみてくれないだろうか。  数多に発生した“もしも”は、平行して進める程少ないモノではない。  何故なら瞬間的に別れた先でもまた“もしも”が発生するからだ。  例えるならばそう毛細血管が良いだろうか。  細かく細かく別れて進み、別れた瞬間また別れる。 「いやマスクメロンの網目、かな?」 「それでは全く解らない」
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