ユウくんのラブラブきゅーぴっと大作戦

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ユウくんのラブラブきゅーぴっと大作戦

 ともすれ、まずは調査開始だねー。相手の〝先輩〟がどの人だかも知れないし……つまり  『じょしこーせーに密着24時、ストーキング開始!ぐへへ』  幽霊である俺っちは、普通の人には見えないし、壁なんかも苦もなくスイスイっと通り抜け出来るからね。  気付かれる事なく密着調査が出来るって事で、れっつ!スニーキングミッション!  「おはよー!よっしゃ、先生まだ来てない?」  「おはよー。珍しいね綾が遅刻ギリギリなんて」  「聞いてくれるな、よっちゃん。これには深~い訳があるんだ」  「はいはい。興味ないし」  「それはそれで酷くない!?」  ふむふむ、彼女は綾ちゃんっていうみたいだね。性格は明るく、行動的と  よーし、この調子でどんどん調査して行こう!   ★  ★  ★  『まー、ざっとこんなもんかな?』  時刻は夕方、部活動をやってる生徒も帰り支度を始める、そんな時間  今日1日で集めた情報を整理しよう  彼女の名前は【藤村 綾(フジムラ アヤ)】ちゃん  高校2年生。陸上部所属  クラスのみんなからの信頼も厚い  成績は……うん。運動に打ち込んでる女の子っていいよね!  そんでもって、現在部活の先輩に絶賛片思い中、と  『特定するのにもう少し掛かるかと思ったけど、恋する乙女は分かりやすいねぇ』  もう速攻で分かっちゃったよ  その姿を目で追う。側に行くと赤くなるし  何より話してるだけで生き生きしてる  『恋する女の子って、ええなぁ』  思わずエセ関西弁になる位、しみじみ感じてしまった  『んで、肝心の先輩君は』  ちょうどトラックを走り終わった先輩君がこっちに歩いてくる  「お疲れ様です先輩!ドリンクどうぞ」  「タオルです!これで汗拭いて下さい」  「せんぱーい!これ今日、家庭科で作ったクッキーです食べて下さい」  「みんな、ありがとう。いつも助かるよ(ニコッ)」  『うわぁお……』  あっという間に女子部員に囲まれて、もみくちゃにされていた  もの凄い人気じゃないですか  そこそこイケメンで、陸上部期待のエース。さらにあの爽やか笑顔ときたもんだ  そりゃモテモテになる訳だ。倍率高いみたいけど、アヤちゃんファイトって、おんや?  『あれ?アヤちゃんは?』
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