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「ありがとう。皆、お疲れ」
「「「お疲れ様です!」」」
『いやー。性格までイケメンとは恐れいった』
アヤちゃんと並んで、爽やかに去って行く先輩君を見送る。何はともあれ、第1段階はクリア
この調子で2人の仲を取り持っちゃる!
『とは言え、後は明日だね。着替えて帰ろうぜぃ。送ってくよ』
「うへへー。先輩がありがとうだって」
『アヤちゃーん。早く着替えに行きなよ。あと、にやけながら、うねうねするのは止めようね』
キモイから
「ぐへへ」
『……早く戻ってね』
正気に
まだちょっと、アヤちゃんはうねうねして、余韻に浸ってるらしい
彼女が収まるまで、俺っちは何となく、その辺をふよつく
「……あんな奴……ちくしょ…」
『うん?』
と、1人の男子学生の側を通りがかったその時に、ボソッと呟く声が聞こえたなう
振り返ると、片付けてる途中なのか、ハードルを担いでいる体操服の少年が、アヤちゃんの方をじっと見ていた
えーと、たしか……アヤちゃんとおんなじ陸上部の人だっけか
そういえば、さっきからチラチラと視界に入ってたかも
『つまり、ずっとアヤちゃんを見ていた?』
その事から導き出される答えは、つまり!
……どういう事だってばよ
『どういう事なんだ~い?You?』
分からない事は、思い切って聞いてみよう!
ま、聞こえてないけど
「ちくしょう。オレだって……」
『飲み込まないで、最後まで言って欲しいんだけどなー』
だけど少年はこっちの期待も虚しく、ハードルを担ぎ直し、無言で歩き出して行ってしまった
『ふーん?』
「ねぇ、綾。さっさと着替えたら?キモイ動きしてないでさ」
「キモ!?うぅ……ひどいっ!」
お。どうやらアヤちゃんも、友達に声を掛けられ、正気に戻ったみたい
良かった、良かった
『とりあえず、少年の事は後で考えようかね。おーい、アヤちゃん待ってよ~』
深く考えず、フヨフヨとアヤちゃんに付いてく俺っちだった
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