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時計を見ると3時間も経過していた。
だけど、ふと何かに気付く…
座りっぱなしなのに、腰もお尻も痛くない。
私「この椅子の座り心地良いですね。」
工藤「あ、分かりますか?実は椅子にこだわりがあって…ていうか、シャンプー台などにもこだわりがあります。」
私「どんな?」
工藤「せっかく忙しい日常から離れて、時間かけてヘアスタイルを創りに来て頂いてるのだから、少しでもくつろげるようにと思って。それには長時間座っても疲れない、座り心地の良い物にこだわりお金をかけたんですよ」
彼は少ない予算の中でも居心地良さを優先して、内装などは殆どお金をかけず、お客が座る椅子やシャンプー台などをこだわったと、熱く語った。
若いのに美容師として自分が想い描くものをしっかりと持っているようだった。
私「なるほど。主人があなたを気に入る理由がなんとなく分かるわ。一生懸命に仕事なさってて、お若いのに立派ね。」
私は10歳ほど離れた工藤さんを、まるで私は母のように彼の事を誉めた。
工藤さんが照れ笑い、喜んでくれた。
工藤「ありがとうございます。」
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