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母親・・・親、か
一瞬よぎった忌まわしい記憶をふりはらい、周りを見渡す。
まだ、ドアまで火の手は廻っていないが時間の問題だろう。
フゥーーーー……
長い、溜め息をつくと
「…わかった、私がなんとかするから二人は早く脱出してくれないか?消防署にも電話してないし」
ちらりと本棚だったモノを見る。
瓦礫に紛れて粉々になったプラスチックの塊。
先ほどの『消化作業』で犠牲になったハイジんの携帯電話だったモノ。
まだ何か言いたそうな二人を部屋の外へ押し出すと
「…どうやら貴女の事を誤解していたようだ。改めて謝罪をさせてもらう」
「……!」
「…今度、二人でAMB社までいくよ」
微かに微笑むハイジんによりドアは閉じられた―――――
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