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一瞬の出来事に何が起きたのかわからなかった。
(・・・ロシア人と言えばピロシキとウォッカ、だよな)
おそらくこの戸棚にはウォッカや蒸留酒(スピリタス)といったアルコール純度の高い酒瓶が残されていたのだろう。先ほどの一撃で瓶が破損し、気化したアルコールの類いにくわえタバコの灰が落ちて引火したといったところか?
幸いにも特に燃えやすい物がなかったおかげで今では床の一部で炎が燻っている程度だ。ハイジん自身も炎に包まれたが服や髪が少々焼け焦げただけである。
「ほわぁあああ~!」
「火事なのです!火事なのです!」
ハイジんの後ろでは突然の出来事に対応しきれずにパニックを起こしているハカセとサラリ。
「サラリたん、水!水~!!」
「火事なのです!火事なのです!!」
やれやれ、騒がしいなぁ・・・もう消えかかってるのに。
「水、水、み~~ず~~~!」
「・・・!ハカセ、お水の入った瓶を見つけたのです!!」
・・・ちょっと待て。まさか・・・!
「でかした、サラリたん!ソイツであの炎を消しちゃえ!!ジャンジャン投げるんだぁ!」
「了解したのです!」
振り返ったハイジんの視界にはいってきたのは凄まじい勢いで回転しながら飛んでくる無数の(酒)瓶だった・・・
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