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「どうしたの!? それ」
“それ"の部分は声が裏返ってしまった。
「…なんだよ」
「なんだよって、こっちがなんだよだよ?」
ああ、日本語がおかしいだろ!
仮にも俺はニュースキャスターで、ラップ隊長で。
こんなに言葉で躓くなんておかしすぎるだろ!
で、でも。
「なんか一区切りついたから、さっぱりしてーなぁってさ」
ニッコリと笑顔を振り撒くあのひとの周りに小さな人垣。
ついでに俺も巻き込まれてます。
「また後でね」
あのひとに話しかける人間が増えて、やむなく俺はその場をフェードアウト。
口を尖らせたあのひとが視界の隅に写ったが、仕方ないよねアピールをしてその場を離れた。
やべー。
可愛い過ぎるだろ!
「あ、見た? リーダーの髪型」
「うわ、あ、え? ああっ!もちろん見た」
楽屋を出た途端、肩をガシッと掴まれ向きを変えられ、話しかけられた。
「かわ…」
バカ、俺!
あのひとに対して「可愛い」だなんて、邪な気持ちがバレたら…。
「可愛いよね~」
「え!?」
ええ!?
ええ。
って、ええ!?
天然! お前まさか!!
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