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「だいたん~」
間延びした声と共に歩き出したあのひとについて楽屋を出て。
「車回してもらってるから」
逸る気持ちを抑えてエレベーターに乗って。
「何か飲み物あったっけ?」
「この前俺が飲んじゃってからは知んねーよ?」
会話の内容が、物凄く身近で。
「って、あなたそれ何日前だか分かってる!?」
「え~? いつだっけ」
はぐらかす顔が笑ってる事に安心したりして。
車窓の景色はいつもと同じ。
だけどさっきから、やたらとドキドキしてます。
ここまでは完璧だ。
つーか、ここまではよくあるパターンなのも確かだったりして。
忙しくてすれ違いとはいえ、レギュラー番組がある故に、必ず同じ仕事がある。
終われば何回かに一度位は飯も一緒にって事にもなって。
ただ、その後が問題。
必ず邪魔(メンバーやら疲労やら睡魔やら)が入っていたこの一ヶ月。
だが今日は違う(あのひとが)。
何が、って。
有り体に言えば“ヤル気"だ。
あのひと“も"今日はヤル気(に違いない)だ。
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