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僕はエビを口の近くまで運んだところで、その動きを止めた。
駄目だ。
やっぱり気持ちが悪い。
あの人間の血管を連想させるような、赤い筋。
光沢のある、二つの黒い目玉。
昆虫のようにうじゃうじゃと生え揃っている無数の足。
こんな物を口に運ぶと考えると、それだけで全身に鳥肌が立つ。
僕は一旦、エビから距離をおいた。
「駄目だよ、**君。」
ふと、声がかかる。
後ろを振り向くと、そこには彼女がいた。
「好き嫌いなんてしてると、この世界では生きていけないよ?」
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