目に見えない大切なモノ。

初めての。

｢えっ？｣

｢えっ？｣

予想外の答えに驚いて彼女を見ると、彼女も驚いて同じ言葉を返す。

えっ？

目が、あっ……

た、と思った。

確かにこっちを向いて、至近距離で向かい会っているのに

目は合わなかった。

どこか遠くを見るように、彼女の視点はぼやけて見えた。

｢貴方は？待ち合わせですか？｣

脚を組んで、できるだけ爽やかに微笑みながら答える。

｢いいえ。｣

ストーキングです。