初めての。

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ゆっくりゆっくり近づいてみた。 気づかれないように、自然に。 周りから見たら、おそらく不自然極まりなかっただろうに。 でも彼女は気づかなかったから、そのままそっと隣に座ってみたんだ。 「いやぁー、いい天気だね。」 俺の頭は大丈夫だったろうか。 「……。」 生まれて初めてのナンパは、スルーで終わった。 きっと彼女は気づいてないだけなのに、俺は何だか気まずくて、虚しくて、近づいた時と同じようにそっと、彼女から離れた。 これが僕らの1stコンタクト。 一方通行の場合はコンタクトと言うんだろうか。 ちなみに天気は曇りだった。
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