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「チョロネコ!不意打ち!」
Nが叫ぶと俊敏な動きでチョロネコがチュリネに近付いてくる
「右に動いて眠り粉」
チュリネに指示をする
チュリネはパッとチョロネコの不意打ちを避けて眠り粉を繰り出し体勢を整える
「チュリネ、リーフストーム」
多くの葉っぱがチョロネコの体を切り裂く、と言ってもチュリネ程度の火力ではそこまで傷付かない
「くっ…」
Nは声を漏らす
眠っていてはチョロネコもなにも出来ない
「リーフストーム」
特攻が下がってるとはいえ弱ったチョロネコを仕留めるには十分な威力だ
「大丈夫かい?チョロネコ」
チョロネコに駆け寄り抱き抱えながらNはチョロネコを気遣う
流石にオーバーキルだったろうか
昔からの悪い癖だ
勝負となると手加減が出来ない
とは言え勿論ポケモン自身が危なくならないよう威力を調節している
そこら辺はポケモン達に任せている
「大丈夫か?もしよかったらこれを…」
この青年を見てると昔の自分を思い出す
流石にいたたまれない気持ちになりバッグの中から元気の欠片を差し出す
「悪い。チュリネはまだ微妙な加減を出来なくて。よければこれを」
「これが勝負の常だから仕方ないさ。すぐ近くにポケセンもあるし大丈夫。気持ちだけ受け取っとくよ」
Nは頭を振って元気の欠片を押し返す
本人がいいと言うんだから仕方ない
「そうか。そう言えばまだ名乗ってなかったな。俺の名はカミギリ」
「カミギリ、いい名前だね。じゃあまたどこかで」
Nは駆け足でポケセンに入ってく
その背中を見つめながら手を振る
今日だけで何度手を振っただろうか
それだけ出会いがあったんだな
「チュリネご苦労様。サンヨウジムでも頼むぞ」
「チュリ」
またサンヨウシティを目指して歩みを進める
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