40人が本棚に入れています
本棚に追加
「当然のことをしたまでです。気にしないで下さい」
「それでも私達が助かったのは事実よ。でも連中に新人トレーナー用のポケモン達が奪われちゃって…今はこの子しかいないの」
俯きながら蘭博士はポケットからボールをだす
博士の持つボールから出てきたのは
「チュリ」
小さく緑色でどこか葉っぱと植物の種を連想させる可愛らしいフォルム
名前が思い出せない
「この子はチュリネよ」
察したのだろう博士が教えてくれた
そうだチュリネだ確か進化するとドレディアになる子だ
「気に入りましたよこの子。な?二人とも」
「ガァァ」
「ネイティ」
二人ともチュリネに近付きながら鳴く
二人も気に入ってくれたようだ
「なら良かったわ」
博士は自らの胸の前で手を合わせ喜んだ
「イッシュのポケモンが手に入るだけで充分です。しかもこんな可愛い子を」
「チュリ」
チュリネが俺の腕の中に収まろうと飛び付いてきたので慌ててチュリネを抱き抱えた
「あら大分カミギリさんのことが気に入ったようね。私もなんだか嬉しいわ」
博士は微笑みながら続けて夕食に誘ってきた
しかしこれからデントとの約束もあるのでと断ると
「そう…先客がいるなら仕方ないわね。代わりと言ってはなんだけどいいものを渡すわ。ちょっとアレと図鑑持ってきて」
「あ、はい」
助手が半壊の研究所に入り数分後に戻ってくるとポケモン図鑑らしきものと筒状のものを持ってきた
「カミギリさんタウンマップとポケモン図鑑です。マップは既にポケナビにインストールしてるかもしれないけどこちらの方がより細かいところまで記載されているわ。ちょっと邪魔かもしれないけど受け取って下さる?」
「勿論です。ポケナビにはインストールしましたが大まかな道路、水道、町の場所しか分からないので助かります」
なにせ急に決まった旅なので
と心の中で付け加える
博士も分かってることだから言わないでおく
「では旅の幸運を祈ってるわ」
「ありがとうございます」
蘭博士とその助手達が手を振って見送ってくれた
これから新しい俺の旅が本当の意味で始まる
最初のコメントを投稿しよう!