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「……あぁ、わかった!セッ――」
「なんでそう自分から地雷を踏むような事するかなっ!?」
「そうだよね、女の子はセ○クスなんてはしたない事しちゃいけないよね……」
「言っちゃってるよ!今自分でバッチリ言っちゃってるからね!?」
「人間だもの」
「もう全く意味わかんねぇから!」
休みなくツッコミ入れたためにゼェゼェと息をつく。
そんな俺の顔を見てなお、日和はその笑顔を絶やさずに俺を見ている。
こんなにSだったのか。コイツは。
芦野日和と最後に会ったのは俺が中学二年、日和が一年の時。
コイツは親の転勤の事情で九州に行くことになり、転校した。元々家が二つ隣だったからか小さい頃から仲がよかった。
あの頃の日和はこんなんじゃなくて、素直で可愛らしいという女の子の中の女の子って感じだった。
一つ年上の俺を頼りにしてくれていて、何かと俺と一緒にいたがっていた。まぁ多少大人しい性格だったから、同い年の友達の輪に入りづらかったのかも知れない。
コイツが中学になる頃には段々明るくなっていき、転校する前には沢山友達がいたと思う。
それと同時に俺といる時間も自然となくなった。
家を出て出発する日の前に電話をしたが、見送りはいいと言われしなかった。
だから俺はてっきり、もう日和とは会わないのだろうと思っていた。
今日この日、俺の家にこの変わりに変わったコイツが来るまでは。
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