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まだ肌は暖かい。
しかし息はしておらず、少女は迷わずに少女の胸を両手で押した。
すると、少女は口から水を吐き出し、息をし始めた。
ホッとした少女は思案する。
「…多分、祭達がその辺りにいるだろうから」
少女は一気に空気を吸い込む。
一杯になったことがわかると、声と共に吐き出した。
「あああああああああ!!」
まだ幼い故に高い声が辺りに響く。
するとすぐ近くからガサッという音がした。
茂みから現れたのは黒髪に少し白髪の混じった女性だった。
女性の腰には弓が携えられている。
「策殿!!ここにおられたか!!一体この老骨がどれだけ心配したか…」
「そんなことより手伝って!!この子まだ生きてる!!」
策、と呼ばれた少女はぐったりとしている少女に肩を貸す形で起きあがらせようとした。
祭と呼ばれた女性が近づき、肩を貸す。
「どこの誰とも知らぬのに…まぁこれだけ幼ければ害は無いじゃろうて」
「グチグチ言わないで!!すぐに城に戻るわ!!」
一時的に女性に少女を任せた少女は赤い服を着て、再び肩を貸した。
二人は大急ぎで部屋に戻った。
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