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一時期、孫堅が都に赴いて帝の話を聞いたり、都の軍を鍛えたりしたことがあった。
その時孫堅の武勇を知った華雄が孫堅に挑み、見事に敗れた。
さらに孫堅がふざけて華雄を追い回したことで、華雄にはトラウマと言えるものが植え付けられたのは孫堅しか知らない。
そんな話をしていると、要は背後から気配を感じた。
振り返るとそこには刀を背中に背負った小さな少女がいた。
長い黒髪に額当てを付けた、色白の少女だ。
彼女は周泰。
先程話していた要が見つけた人材だ。
「要様、敵陣の偵察を完了してきました!」
「お疲れ様明命ちゃん。あ、この二人が雪蓮さんと冥琳さんだよ」
周泰はさっと二人の方を見ると、シャキッとなる。
シャキッを通り越してガチガチだが。
「お、お初にお目にかかりましゅ!!姓は周、名は泰、字は幼平でつ!!」
「そんなに緊張しなくても…」
孫呉の未来を担う二人を前にすれば当然の反応なのだが、それにしても緊張し過ぎである。
笑ってはいけない、とわかっていても孫策と周瑜は笑ってしまっていた。
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