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先程から笑い続けているせいで、孫策は何かが外れてしまったように笑い始めた。
「あははは!!もー、いくらなんでも堅すぎ…くくく…」
「わ、笑い過ぎだぞ雪蓮。彼女なりの懸命さなんだ、それを…くっ…」
周瑜ですらこの有り様である。
しかし笑われているにも関わらず周泰はガチガチに固まったままだ。
「要様に推挙していただき、要様の部隊に所属してます!!」
「明命ちゃん、掴みは完璧だからもういいよ?」
それでもなお自己紹介を続けようとする周泰。
真面目な性格の彼女は懸命になりすぎているようだ。
孫策達が笑うのを止めるため、要は周泰の肩を叩いた。
「明命ちゃん、報告をお願いしたいんだけど…」
「はっ!!す、すみません、もう落ちちゅきました!!」
落ち着いてないね、と要は小さく呟いた。
「敵は完全に籠城の構えです。軍を指揮しているのは華雄、張遼の二人。攻略は難しいものになりそうです」
報告を済ませ、勢いよく鼻から息を出す周泰。
だが肝心の二人は笑うのを止められなかった。
「…聞いてないですね二人共」
「す、すみません!!私の説明不足です!!」
だから違うって、と再び要は小さく呟いた。
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