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都会のとある銀行で男性の無駄に大きな声が響いた
「おい静かにしろ。騒いだら刺すぞ。手を頭の上にして座れ」
ATMの前で現金を下ろし帰ろうとしていた私は
一瞬何が起きたのか分からなかった
しかも自動ドアを挟んだ受付の方から聞こえたので
あまりこれが強盗なのか実感がわかなかった
だが人々の叫び声や慌ただしさがこっちにまで伝わってきた
これは現実だというのが急に頭で理解した
「どうしよう」
口からふと漏れた言葉
その原因を作ったのは
出口はこのドアを通らないと行けない
自分と同じ想いを共有出来る人がこのフロアには居なかった
ここで待っていても犯人は必ず来る
どうせなら混乱の中に便乗した方が
まだ無事に逃げ出せるかもしれない
でも今なら警察に電話をかけられるチャンスなんじゃ
私は何でこう馬鹿なんだ
すぐに鞄の中から携帯を取り出し
110しようとボタンを押そうとした瞬間
自動ドアが無残に開き
ナイフを私に向けた一人の男性が立っていた
「何やってる。今すぐ携帯をよこせ。」
私って運悪い
それか神様がもう少し私に時間をくれたら良かったのかも
どっちにしろこれで私は・・・
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