小さな悪夢の始まり

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「今。幼いって言いましたか?」 「言ったよ。お前みたいな」 「これでも大学生です。 幼いって顔で判断しましたよね?。 えぇ童顔ですよ。 でもそれだけで幼いとか。 違う言葉で補えるでしょう? こんな若い女にとか。 小さい頃から散々言われ続けて もう聞きたくないワード堂々の1位なのに。 顔ってそんなに大事?。 外見より中身でしょ。 それかスタイル良いねとかをお世辞でも」 最後まで言い終わる前に 体が酸素を求めたので深呼吸をした 「ふぅーはぁー」 脳に新鮮な酸素が行き渡る すると私の中で血の気が引いていくのが分かった 私、今何をしたの? まさか犯人に逆ギレしたの? その答えをくれたのは人々の視線と 場を包む凍える程の空気だった やっちゃった いくら自分のコンプレックスを人から指摘されたからって 相手は犯罪者だし 別に悪気は無くて事実だし 恥ずかしいのと自分の愚かさが混合して いっそ私をここから消してと神様にお願いしていた 「すまねぇ。」 「えっ」 「俺はいつもこうなっちまう。何でだろうな」 謝ったと思ったら急に愚痴りだした犯人 「あの~。今からでもやり直せるんじゃ」 もうこうなったら 無理矢理な展開を受け止めて 犯人に私達を解放するよう交渉してみるか 私にも少なからずこの展開を作った責任がある だけど刑事ドラマのように上手くいくのかな いやいければ私達は無事助かる やってみる? 私?
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