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方法は2択。後ろから迫ってくるリーダーを撃退するか、前方で待ち構える残り2人を蹴散らすか。
どちらにしても戦闘は避けられないか。
なら、答えは決まってる。わざわざ目の前にある目的地を逃すほど馬鹿ではない。
それに――負けるつもりは毛頭もない。
駆け出す。もう、呼吸は整った。
使えるものはあるのか?ポケットを探る。
右は何も無い。左には棒付きの飴玉が3本。使える物は無さそうだ、うん。
刀を使うか。いや、怪我はさせたくない。抜身する暇もない。
じゃあどうする。残るは―――己の体のみ。
トンネルの出口にさしかかる。随分長い間いた所為か光すら俺を拒絶してやがる。
同時に右方から人影が視界に入る。ほんとに、いやがった。
「止まれ」
そう言い俺の前に立ちはだかる。クールボーイか。
俺に残された手は―――
「無理」
強行突破。
止まらない。敵が目前にいても止まらない。
一撃。鳩尾に勢いを利用し拳を放つ。
勝利の音楽のように背後からBGM――基(もとい)呻き声が聞こえる。勝った気がしないのはしょうがない。
自業自得。正当防衛。そうやって自分を正当化する。
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