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なんか親近感湧くな。普段とは違う感情。そこまで戦闘を深く好まない者同士だからだろう。
似ていると言われれば嫌な気分になるけど。うん、申し訳ない。
そろそろ帰ろうかな。そう思い、踵を返す。そして――思いついた。
ポケット手を入れる。そして、飴玉を掴み振りかぶる。
「ほらよ!」
そのまま勢いよく腕を振った。上手く届くだろうか。
放物線を描いて飛んでいく飴玉。
驚くほどのコントロール。いやー、関心、関心。
描いた線をなぞるように、ものの見事に目的地へと距離を縮めていった。
目的地である、ふけ顔の男は手を合わせお椀のような形を作る。食べ物を恵んでいる飢えた人に見えたのは気のせいとしておこう。
ふけ顔の男の手に飴玉が接近する。
そして―――
手と手の間をすり抜けた。
「‥‥‥」
ほんと何なんだ。
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