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長い長い記憶。気づけば太陽は完全に山に隠れようとしていた。
「はぁ‥‥」
今思えば初めから無謀だった。蘇るその後の展開。
数多の金属音。交わる互いの矛。荒い呼吸。足音。そして――富田さんの声。
それらが今起こってることのように頭に鮮明に鳴り響く。
ルール。あんな理不尽で不理屈で不平等な物さえなければ、こんなに時間がかかることも無かっただろう。
『ルールその三。怪我を負わせたら負け』
『ルールその四。捕まえて檻に入れろ』
続々とその後の戦闘中に出されたルール。あの人間違いなくゲーム中毒だ。
檻の存在を知ってからは流れは早く、防御しながら檻へと誘導すれば、いとも簡単に檻に閉じこめることが出来た。俺の戦闘時間と勇気を返せ。
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