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―――翌朝―――
俺の朝。
それはいつも――デコピンで始まる。
「ぐべふっ!」
発せられる謎の言葉。うん、何でだろう。
「りゅーくんおはよ!」
そんな俺を気にも止めず口を開く。いや、むしろ俺の痛がってる姿に微笑んでいる。
「おはよ」
「朝ご飯出来たよ!」
それだけ残し、京香は下へと降りていった。
訪れる静寂。窓から射し込む朝日が朝だと告げている。
「ふぁー」
欠伸を漏らしながら、固まった体を伸ばす。
昨日の疲れのせいか、思ったより体の節々が痛んでいた。ついでに言うと額も。
でもなんか慣れたな。そんな事さえ思う自分が恐ろしい。
一緒に住みだしてから毎日の朝の始まりはいつもデコピン。最初に俺が軽くやったのが事の始まりだった。
それからと言うものの懲りずに俺にデコピンをくらわせ痛がる姿を楽しむ。
まあ、毎日起こしてくれてるだけでも十分優しいよな。そう結論付ける。
俺はもう一度欠伸を零しリビングへと移動したのだった。
―――――
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