始まりはいつも理不尽

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雰囲気。殺気。少し幼い顔つきからかは考えられない威圧感。思わず恐怖が生まれる。 全身から発せられる危険信号は強者であるという事を示している。 逃げたい。そう思うのに足が竦んで動けないんだから不思議だ。 相手の異様な殺気が五臓六腑を刺激する。 そして理解した。こいつは危険だと。こいつは異質だと。 戦闘力以前にこいつは間違いなく性格が違う。笑顔の中で不気味に煌めく双眼。 口を開くことさえ禁じられてるような重い重圧。快適な気温なのに周辺だけ淀(よど)んでいるようにすら感じる。 張り詰める空気の中―――そいつは、ただ一言呟いた。 「殺しに来た」 その言葉は冷酷に、冷淡に、冷静に――― 場の空気を震わせた。
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