20人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
「でも交換条件なんて無いよ!」
「正直に答えろ」
その表情は変わらず笑顔。だが、表情から真実かは汲み取れない。
こいつは道化師だ。気持ちを隠し敵を欺く。
そんな敵に俺は少なからず恐怖を抱いていた。
「ほんとに何もないって!しいて言うなら」
来る。二度目の静寂。空間さえ支配してるんじゃないか。そう思わされるほど敵に動揺させられている。
声も音も何もなく、聞こえるのは風と草の揺れる音だけ。
そんな自分が作り出した虚無な空間を、こいつは一瞬で打ち砕いた。
「君の人生とかな!」
最初のコメントを投稿しよう!