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俺が焦り始める中、葉咲は顔色一つ変えず、笑みを貼り付けたまま話を再開する。
「だから、どうしても人手が欲しかったんだ!しかも飛切り上玉のね!」
上玉。強い人を求めていた。確かに実力だけなら一介のサラリーマンやそこらの学生に負けることは無い。
でも―――
「俺が強いとなぜ思った」
なんでこいつがそのことを知っているんだ。
見た目は華奢。初対面。知ってるはずもない真実。
なのに―――こいつは知っていた。
「あはっ!まあ、とびきり上玉と言うほど強くはないけどね」
答えを焦らす。ペースは一向に早まらない。それが、俺に怒りを募らせる。
厄介だ。早く終わらせたい。その言葉が脳を埋め尽くしていく。
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