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頭の中にインプットされている数十もの戦術。短期、長期、個人、集団。
その中から選ぶ。最もシンプル。最も勝率が高い戦術。
鈍るな。冷静になれ。
瞳に炎を灯す。こいつを殺すための決意を秘め。
｢あはっ！いい目だね！｣
俺の瞳を真っ直ぐに見つめそう褒める。
未だ余裕か。葉咲の瞳に闘志が浮かぶことは無く、表情も笑顔。
今の内だ。余裕放(こ)いてられるのも。
俺だって――――伊達に生きてきたわけじゃない。
覚悟を決め、努力し、己を磨いてきた。
駆け出す。策と勇気。後は全力を尽くす。
大丈夫。
先ずは一撃。突きを心臓目掛け放つ。
だが、敵は天真爛漫な笑みを浮かべたまま左へ逸れる。
まだだ。ここからだ。
左にいる葉咲を狙い、三日月を描くように刀を振るう。
いけるか。いや―――まだか。
回避の方向を左から上へ。異常な跳躍力で回避する。
俺はその瞬間――――微笑んだ。
上に逃げた“こいつ”に逃げ場は無い。
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