始まりはいつも理不尽

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視界が流れるように移り変わる。 林と葉咲。そしていつもの見慣れた入り口。 その景色の中に―――今までとは異なる物が映った。 やめろ‥‥。 入り口に繋がる細い道。その道の先にある曲がり角。 滅多に変わることの無いその景色の中に――― 「やめろ!」 複数の人影が現れる。距離の遠さで顔は見えないが影の数から三人。 俺の叫びからか葉咲が反応し、体を反転させ振り返る。 幸いな事に来た三人はまだ葉咲の存在に気づいていない。 ダメだ。気づいたら。 こいつとの会話で立てられた理論。こいつの話が真実だと仮定した場合の推測。 葉咲が俺に会いに来たのは強い人を求めていたから。即ちこいつの求める者は俺では無く強い人。 そして、京香が葉咲を視界に捉えた時点で京香も“死”の対象となった。 そこから考え得る可能性は、特定の人物では無く“人間”と言う区切り。その中で葉咲に出会ったものは皆、この世界から追放される。 だとしたら―――“こいつ”を見た人は全員消える。 そう。 ――――今来てる三人も。
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