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笑みを浮かべ余裕の表情で俺へと告げる。
だが、俺の脳裏に浮かぶのは先ほどの光景。
予想外のあまり、脳は混乱し、言葉は外へ出ることを拒む。
こいつは今―――何をした。
背後から不意を打ち攻撃を放つ。
そう。間違いなく俺は葉咲を捉えていた。なのに手応えは無い。
目を疑う光景。刀が葉咲と接する瞬間―――葉咲が消える。
時間にして瞬く時間。刀を振り終えた直後、再び姿を現した。
刀が接するはずだった腰付近の服は破れているが、血は出ていない。
葉咲の表情に変化が見られないことが致命傷を与えられなかったという事を物語っている。
そうか。失敗に終わったのか。
「あはっ!これであの三人も終わりだね!」
葉咲の言葉が俺をさらに絶望へと近づける。
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