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何が守るだ。何が実力があるだ。
―――何一つ守れてないだろ。
「我ら異世界と異なるもの。我が星他国より強き力持つもの」
泣き叫ぶ俺にゆっくり近づいてくる。
「力求むもの運命に導かれ出会いと成す。求むもの一度求めば後に退けぬ」
悔しい。頭の中を渦巻く想い。
距離は着々と縮まり、
「この星の人何人たりとも異世界姿を現すこと禁ず。見たものその世界から消えん」
俺の前で止まった。
「運命はこの世界に来るのみ」
意味の分からない内容。うつ伏せに倒れている俺に近づき手を翳(かざ)す。
手の中には四角い箱が隠されていて、俺に葉咲が軽く触れた瞬間小さく音をたてた。
陽気な高いスイッチのような音が死の合図にすら聞こえる。
「これで君たち五人は運命共同体だね」
落とされる箱。俺の目の前で一瞬跳ね地面の上を転がる。
見上げれば葉咲が俺を見下したような目で見据えていた。
「僕は異世界から来た者。君がそのスイッチを押せば、僕のいる世界に招待される」
異常な言葉も今の俺には日常の事のように翻訳される。
脳は思考を止め。聞いてるはずの言葉も頭に一切入ってこなかった。
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